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1日目
みなさん、こんにちわ、そして初めまして。原山留蔵と申します。(偽名です。)春から高校2年になります。いきなりの自己紹介、大変驚かれていらっしゃる方も多いかもしれません。多くないかもしれません。「なんだこれは?」と思っている方は少なからずいると思います。改めて、この小説?日記?の趣旨について説明させていただきます。え、別に聞かなくていい?そんなこと言わないで下さいよ。あ、あっ‼︎ちょっと待った、ちょっと待った‼︎今このページ閉じようとしたでしょ⁉︎ちょっと待ってくださいよ。今回は1話目なんだから最後まで読んでくださいよぉ。手短に?任せてください。わたくしは文章を書くことは苦手にございます。そんな長文を書くことなんざ、はなから無理というものにございます。
えー、では改めてですね。この小説?日記?の趣旨についてです。わたくし原山留蔵はこの度、日記をつけることにしました。イエイ‼︎っということで、ですね。パチパチパチパチと拍手してくださっても構いませんよ。あ、そうですよね。手短にね。承知いたしましました。では、なぜ、この小説投稿サイトに掲載させていただいているかと申しますと、少しでも長続きさせるためでございます。わたくし、生粋の三日坊主でして、今まで日記を書くためにノートを買っては3日でやめ、高級な日記帳を買っても3日でやめ、日記アプリを使って2日目でやめた男にございます。なので、ですね。この小説投稿サイトを使えば、毎日更新せざる得ないという状況になるのではないかと思い至りました。申し訳ありません。さすがに毎日更新と言うのは無理ですが(テスト期間などありますので)できる限り続けさせていただければと思います。
そして、もう一つ理由がございます。それはわたくしの夢が小説家ということです。端的に言うと今回の日記は小説風につけられればと思います。文章を書く力をつけるためのものとなっております。こんなことしてる暇あったら、勉強するなり、本を読んでいる方がマシだって?そうかもしれません。ですが、今回の趣旨はあくまでも日記をつけることにございます。その日記を書く行為が未熟な自分の成長につながればと思っています。ですのでね、文章とかで「ここの書き方、もっとこういう方がいいよぉ〜」とかありましたら、ぜひ、コメントのほうに書いていただければと思います。「才能あるねぇ」「面白いね」とかはもっと大歓迎です。ちょっときつめのコメントはメンタルにきますのでお手柔らかにお願いします。
すごいですよね。さっきから読者側にめちゃくちゃ要求する作家希望の馬鹿がいますね。大変申し訳ありません。貴重なお時間を割いてくださり、ありがとうございます。では、こちらが本日分となっております。ヨロシクオネガイシマス。
新学期。4月も3週間ほど経ち、昇降口の桜は気づいたら、葉桜色に変わり始めていた。
校門から昇降口にかけてのやや上り坂の傾斜をトボトボと静かに歩く新入生の女子を見ると、夏頃になれば彼女たちはわがもの顔でこの傾斜をズンズンと歩くのだろうと思う。傾斜の横にはグラウンドがあり、朝練に励む野球部の姿が見えた。体験入部中の一年生の姿は周りの先輩方に比べ、明らかに小さく、コロコロとしていて可愛らしさを感じるものの、彼らもまた、夏になれば屈強な男に変わってしまうと考えるとゾッとする。ランニングでかいた彼らの汗は太陽の光が反射し、キラキラと輝いていて、さわやかな青春を感じずにはいられない。原山留蔵の同級生の方々もそこで一緒に汗を流してはいるものの、クラスにいるときは、陽気で、少し怖い印象の彼らであったが、この風景一面を切り取れば、ただたださわやかになってしまう。不思議な魔法、青春補正のフレームが脳内で働く。
昇降口で靴を履き替え、二階へ進む階段を登る。留蔵の目的地は2年3組の教室だ。留蔵の学年は今年の春、無事に全員が進級し、クラス替えが行われた。留蔵は教室に着くなり、必要な荷物だけ取り出し、荷物をロッカーにしまうと自分の席につく。徐ろに自分の持ってきた文庫本を取り出して、途中のページから読み始めた。今日は少し早く学校に着いたので、思っていたより沢山読むことができた。時計の針が8時を過ぎたころ、教室には多くの生徒たちが登校し、その生徒のガヤガヤと話す声で集中力が削がれる。仕方なく、読むことを断念し、しおりを閉じるとそっと机の引き出しに本をしまった。朝のホームルームが始まるまでまだ時間があるので寝ることにした。机に突っ伏して目を閉じる。このようなとき、そう易々と眠りに落ちることはない。寝ていると言うか寝ているフリをしているといったほうが正しい。やはり、周りがガヤガヤと眠れたもんじゃない。男子たちの張りのある太い声、女子たちの甲高い声。「え?この漫画今度貸して⁉︎」「メイクちょっと今日違くない⁉︎めっちゃいいじゃん⁉︎」「この前言った一年の女の子、サッカー部のマネージャーになるって⁉︎ヨッシャーッ⁉︎」「今日帰り、どっか寄ってかない?」
「原山くん、また寝たふり?」
クラスメイトたちの会話に紛れて聞き逃しそうになった。本日、最初に声をかけてきた人物は目を閉じていてもわかる。石田智明だ。というより、このクラスで留蔵に話しかけるのは今のところ彼ぐらいしかいない。クラス替えをして、新しいメンバーになってまだ3週間なのにすで仲良い人同士で形成されたグループが至る所で形成されている。一年の時とは違い、部活動が一緒の者、友達の友達が友達になるパターンなど、組織の形態は迅速かつ的確に進んだ。当然のようにそのグループ形成の最中、脱落していく者もいる。それが留蔵、石田、そして田中君。田中君は窓側の席で気配を消している。そして、もはや構造物なのではないかと思うほど、動かない。進級して数日だった頃、グループからあぶれた石田は田中君に話かけたところ、ほぼシカトされているぐらい会話の返事を返してもらえなかったらしい。そのとき、悲しげな面持ちで引き返してきた石田を見て内心、笑んでいた。留蔵は石田の少し見下したところがある。といっても石田も留蔵のことを見下したところがあるのだからどっちもどっちと言える。どんぐりの背比べとも言えようか、きっとこのクラスにこの2人の関係性を知っている者はいないだろう。
「あぁ、おはよう。いやマジで今日は寝てたわ。」
寝てない。全く寝てない。机に突っ伏して3分経たずに石田に声かけられた。体を伸ばす仕草をする。「はいはい」といって自分の席でもないのに石田は留蔵の席の前にどっかりと座って後ろに座る留蔵の方を向く。どこかから誰かが舌打ちをした音が聞こえる。舌打ちをしたのが誰かは大体想像できる。きっと、今、石田が座っている席の主である女子だろう。当の石田は舌打ちをされたことを気にしていないのか、聞こえていないのか平然とした様子だ。日頃、女子とはろくに目を見て話すことが出来ないくせに、女子の席には平気で座るというよくわからない石田は案外、体型と同様に太く生きているのだと思った。
「今日の授業なんだっけ?」など石田と他愛のない会話が続く。あぶれた者同士だからと言って特に仲良くしようとか、趣味を合わせようとか、そう言った努力をしない2人の会話はその場と時間を消費するための作業に近い。
いきなり、教室の真ん中のあたりで女子の悲鳴が聞こえる。先程まで、メイクの話で盛り上がっていた女子グループだ。クラスの全員が一瞬彼女たちの方に視線を向けた。もちろん、留蔵も石田もだ。田中君も珍しく向いていた。悲鳴の後、彼女たちの声は笑い声に変わる。悲鳴の後の笑い声というのは悪い意味で自分たちに縁のある話なのでこの空気が漂うとこの場からフェードアウトしてしまいたいと思った。
どうやら、グループの中にメイクを変えた女子がいたらしくその方々が写真を自撮りで撮っていたようだ。仲のいい4人で撮っていたはずなのにいつのまにか構造物の田中君が彼女たちの後ろですべての写真に収まったらしい。あまりにも、自然に溶け込んだ結果、彼女らの1人がそれに気づいて驚きのあまり悲鳴が出たそうだ。
その写真は周りの男子たちにも周り、「おもしれぇ」と笑いものになっていた。留蔵はくだらないと思い、石田は田中君は被害者なのに不憫だと漏らした。だが、その時に気づく。女子たちと一緒に写真を撮ったと言う事実だけは少し羨ましいということに。
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