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下書きを書き終えてから、部屋を出ると広いリビングで母は1人で画面に文句を言っている。
「親が有名だから、お仕事もらえてるんでしょう?なに、あの態度!!」
おそらくほとんどの人が母と同じ意見になる。生意気な娘だと・・・
「裕太は、ああならないでね」
探るような声と瞳。決められたことを曲げられたくない人。
「心配しなくても、なりませんよ」
知ってる?たまに敬語が交じること。反抗期では甘い方なんだよ。
「ならいいけど・・・受験勉強しなくても、通るのに」
芸能活動可能な高校を探してる母。もう、オワコンな僕は諦めてるのに、母も明世も諦めるなと言う。
「勉強しかできないじゃないですか」
閉じ込められてるからね。母の目が届くところにしか行かせてくれない。
「そんな風に言わなくても・・・」
成長期にアレルギーでもないのに、牛乳を飲ませてくれない。無添加の野菜ジュースをコップに注いで僕は部屋へと戻る。
『先ほどはやり過ぎました。許して・・・ね♡』
僕の部屋のテレビから、失笑が聞こえ、壁掛けのテレビ画面を見ると、可愛こぶって謝る明世が映っていた。
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