1-bスポットライト

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 下書きを書き終えてから、部屋を出ると広いリビングで母は1人で画面に文句を言っている。 「親が有名だから、お仕事もらえてるんでしょう?なに、あの態度!!」  おそらくほとんどの人が母と同じ意見になる。生意気な娘だと・・・ 「裕太は、ああならないでね」  探るような声と瞳。決められたことを曲げられたくない人。 「心配しなくても、なりませんよ」  知ってる?たまに敬語が交じること。反抗期では甘い方なんだよ。 「ならいいけど・・・受験勉強しなくても、通るのに」  芸能活動可能な高校を探してる母。もう、オワコンな僕は諦めてるのに、母も明世も諦めるなと言う。 「勉強しかできないじゃないですか」  閉じ込められてるからね。母の目が届くところにしか行かせてくれない。 「そんな風に言わなくても・・・」  成長期にアレルギーでもないのに、牛乳を飲ませてくれない。無添加の野菜ジュースをコップに注いで僕は部屋へと戻る。 『先ほどはやり過ぎました。許して・・・ね♡』  僕の部屋のテレビから、失笑が聞こえ、壁掛けのテレビ画面を見ると、可愛こぶって謝る明世が映っていた。
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