赤と白 2部

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   二人は、四日後に行われる公演のリハーサルに参加した。  そこには舞鶴翼と華咲舞がいた。  珍しく、舞鶴翼が二人に話しかけて来た。 「あなた達、よく頑張ったね。  私のマネージャーこんなに続いたのは、島崎だけだよ!  初舞台、期待してるからね!  二人共、胸を張って自信もって頑張りなさい。」  茜は、初めて舞鶴翼から褒められた一言だったので、目から大きな涙が溢れ出た。    華咲舞は舞鶴翼の言葉に笑顔でうなずいていた。    そして三月二三日、いよいよ若菜と茜の初舞台が行われた。  若菜のお母さんは、この日の為に新しいワンピースを買い、お父さんは高感度レンズのカメラを両手で持って、妹の恵は、初めて見る福岡歌劇座の劇場内を見渡した。  「お姉ちゃん、こんな凄い何処で舞台に立つんだぁ…」  そして、おばあちゃんは早くも泣いてる。 「私が死ぬ前に若菜の舞台を観れるなんて、長生きして本当、良かった。」    そして、茜の母も、清楚なファッションで若菜の家族に挨拶に来た。 「初めまして、茜の母です。  挨拶、遅れてすみません」 「いえいえ、こちらこそ。  今度、茜さんのお父様がマネージャーになって下さいまして、家族みんな本当に安心してるんですよ。  迷惑かけると思いますが宜しくお願いします。」 「いえいえ…」  お互いの家族は、初めての対面だった。   「お父さん、茜さんのお母さんの顔ばっかりじーっと見てたでしょ!」 「すまん、すまん、恵。  茜ちゃんの、お母さん、清楚で綺麗な人だったよねぇ…」  同期の今日、出演のないシリウス、ペガサス、北斗、カシオペアの仲間達も二人の舞台に集まった。    そして、初舞台の幕は開いた。
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