赤と白 2部

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       九・勝負の時。      小さいステージだが、二人なので十分な広さだ。  ステージには、幕はないが暗闇の中、客は待ちきれず酒を飲みながら二人のステージを待っていた。  もし、失敗したらブーイングの嵐だ。  そして準備は整った。  暗闇の中からスポットライトが二人を照らし出した。  若菜は、かすみ草の匂いを嗅ぎ、茜は薔薇の匂いを嗅いだ。  島崎がテープを流し、そして二人の日本舞踊が始まった。  初めて観る客は、最初は不思議な感じで観ていたが、次第に二人の踊りに酔いしれ始めた。  【素晴らしい……  これが日本舞踊と言うやつか?  実に美しい】  盛大な拍手で日本では、あり得ない手拍子で店の客、全員が二人に注目した。  引き続き、衣装を着替えてダンスファションになった。  いつもは大勢でするラインダンスも今は二人。  しかし、二人だけでも、迫力があった。  元気、笑顔、そして、はち切れんばかりパワーで客を魅力した。  【実に素晴らしい!二人共、全く同じ動きだ。】  そして、ラストステージは、華麗な衣装に着替えて歌とダンス。  再び暗闇の中、スポットライトが当たり、茜は真っ赤なタキシード。  若菜は白のドレスで登場すると、中島みゆきの糸の曲に乗り二人は再度、目を合わし微笑んで歌い始めた。  ここは、酒場。  いつもはガヤガヤ賑わってる店内が、二人の歌で店内は静まり、そのうち店内は大歓迎に変わった。  二人は歌って踊って店内を突き破らん勢いで全力で駆け抜けてた。  そして二人の舞台は終了した。  客は歌に酔いしれ、全員が立ち上がり、拍手が最後まで鳴り止まなかった。    【こんな所で、こんな素晴らしいショーを観れるとは思わなかった!】  そして、客は満足した笑顔で帰って行った。  
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