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「お疲れ様です!」
「あー疲れた!
帰りにポテチとコーラ買ってきてね!」
華咲舞から一万円を渡された。
どうにか、付き人生活にもなれ、華咲舞の性格がつかめてきた。
大雑把で仕事のオフの日は、ただの怠け者。
気前もよく、スター、オリオンの仲間達を飲みに連れて行く。
もちろん、支払いは華咲舞、持ちだ。
飲みに行く時は若菜は外で何時間も待たされる。
しかし、華咲舞は、自分の着ない服やアクセサリーを若菜に好きに使わせた。
おかげで、福岡歌劇団の少ない給料でも全く使わず、お金が増える一方だった。
華咲舞は、お金の価値が分からないのか、ただの馬鹿なのか分からないが、オンになった時の華咲舞は、若菜の手の届かない遠い存在だった。
そして、舞鶴翼と言うと、超几帳面で、かなりのケチ……
ほとんどタクシーを使わず交通機関を使って福岡歌劇座に来ている。
サングラスにマスク、いかにも怪しい。
飲み会は、誘われたら行くが決して自分の財布は出さない。
おそらく、おばあちゃんの大ファン舞鶴翼が、こんな性格だと分かれば、かなりのショックを受けるだろう……
取り敢えず、黙っておこう……
そして、若菜と茜は、飲み会が終わるまで二人で待っていた。
それが、二人が会える唯一の近況報告の場所であった。
「茜、あんた!大丈夫?あんな、ケチ野郎に付いてて!」
「この前、電車賃を立て替えて、まだ返して貰ってないのよ。
几帳面なのに、お金を貸した事だけ忘れるの!」
「なんぼ、貸したの?」
「二〇〇円。」
「……あんたも、セコイね。」
「そうかなぁ……
そういえば最近、若菜って凄く、おしゃれ!」
「でしょ!全部、華咲の御古。」
「でも、凄く可愛い!いいなぁ〜」
「私なんて交通費は、出さないといけないし、給料じゃ追い付けないよ!」
「でも、若菜と華咲さん、何かよく似てるような気がする。
びったれな所とか。」
「うるさい!あんた達もよく似てるよ!
セコさとかね!」
「わははっ…。」
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