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そうだ、公園なら雨の日は人が寄り付かない。
救いを求める様にして入った公園でチカが目に
したのは、同じ制服を着た少女の姿だ。奇妙にも、服が濡れるのも構わず笑顔で滑り台を滑って
いる。
「…アリス…?」
アリスは自由を謳歌する鳥を思わせる面持ちで
園内を走り回り、ブランコを立ち漕ぎするのに
飽きるとジャングルジムに登り頂上で左右の足を前後に揺らしながら曇天を見上げた。
チカはすっかり放心してしまい、握っていた傘を
地面に落とした。
一番の怪異は、彼女がこの世に存在する事とは
別のベクトルにある。雨に打たれているアリスの身体が、微塵も濡れていない事だ。
それは、はっ水加工を施した素材の様でも無数に
降り注ぐ雨粒が彼女を避けて落ちて行く様にも
見える。前例が無い事は、上手く言葉に出来ない
ものだ。
「チカちゃん…?やっぱり、チカちゃんだ!」
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