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母の存在を遠くに認めた迷子を思わせる、無邪気な笑みを浮かべたアリスは意気揚々とチカの元へ駆け寄った。
反対にチカは、素直に再会を喜ぶ所か金輪際
出会う筈の無い彼女の存在にたじろぎ後退る。
「な、何でアリスが…。」
「ここに来れば、会える気がしたんだ。」
やっぱり、真っ直ぐ帰宅するべきだった。
踵を返し、段々と歩みを早めるチカにアリスは
味を占めた顔で告げる。
「誰かに言っても無駄だよ。私の姿、私を知ってる人にしか見えないみたいだし。」
「ここへ来るまでに、色んな所を迂回して来た
んだ。」
バス停、駐車場、駅、アパレルショップ…
学校や自宅は勿論、事務所にも顔を出せなか
った。私が成仏出来てない事、バレたら余計な
パニックを招くじゃない?
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