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ある日の体育の授業。体調不良で見学をしていた
アリスを視認し、チカは悪い笑みを浮かべた。
「先生、頭痛いんで保健室行って来ます。
立花さん、保険委員でしょ。付いて来て。」
有無を言わさぬ口調で誘導され、到着した場所は
体育倉庫だった。鍵を開けたチカはマットの上へ
アリスを乱暴に放り出すと、尻餅をついた彼女に
鋭い平手打ちを繰り出した。
「チカちゃん?私、貴女に何かした…?」
熱を持つ頬を押さえ震える彼女の髪をチカは
わし掴みにし、息がかかる程至近距離で言い
放った。
「お前の顔見てると、ムカムカするんだよ。暫く
そこで頭冷やせ。」
チカは考える隙も与えず、外側から鍵を掛けると
背後から聴こえる涙声の絶叫と鉄の扉を連打する
音を無視し、踵を返した。
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