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栗原聡子、二十歳は今日も家路を急ぐ。
月曜から金曜まで15時から22時のコンビニのバイトを終え、廃棄にされるはずのサンドイッチをもらって夕飯にするのが日課である。
休みの日は掃除に洗濯、余った時間は配信サイトの無料小説を読む。
何の変哲もない毎日。
それでも食べていける日々に満足していた。
ふと脇を見ると暗いはずの路上にほんのり灯りが差し込む。
「あれ、カフェ?オープンしてる」
木目調のアンティークな風情に好奇心が湧いてしまう。
手に持ったコンビニの袋に入ったサンドイッチを暫く眺めて悩む。
明日、休みだからサンドイッチは少し遅めの朝食にしよう。
そう決心して、カフェのドアを開けた。
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