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誕生日から一週間が過ぎた。
バイトとアストロメリアに通う日々は変わらない。
変わったのは私が恋する乙女なるものになったことだけ。
地味で見た目も良くない自分が恋なんて夢物語だと思ってたけど。
恋して初めてわかったことがある。
それは嫉妬という感情。
優斗さんと付き合うまで気づかなかったけど、カフェには優斗さん目当ての女性が一定数いる。
いや、このカフェに通う大多数の女性は優斗さん目当てだ。
お客さんを邪険にできないからか(と思いたい)女性から声をかけられてたら、国宝級の笑顔で返す。
あの笑顔で返されたら、女性が勘違いしてもおかしくない。
地味で見た目も悪い私より、おしゃれでキラキラ女子に心変わりするんじゃないかと怯える日々。
でも閉店後に過ごす2人の時間は、嫉妬さえも打ち消す甘い時間となっている。
週2日は優斗さんの家に泊まるというルーティン。
不安はあるけど幸せな毎日が続いていた。
今日も閉店したらお泊まりすることにしていた。
「聡子ちゃん、店の鍵閉めてくれる?」
「はーい」
鍵を持ってドアに手を置いた時、突然ドアが開いて誰かが入ってきた。
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