マシンガントークと焼肉の誘い

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「とりあえず、お昼ご飯、食べよー?昼前だし」 「ここでいいの?」 「いいの。スイーツも頼むけど」 スイーツ頼む前提か、と笑った。 蓮はハッシュドビーフ、俺はハンバーグセット。 食べ終えたら、蓮はフォンダンショコラ、て奴を頼み、俺も初めて、店でスイーツを頼んだ。 と言っても、有り触れた苺のショートケーキ。 蓮は相変わらず、ハッシュドビーフだけでなく、フォンダンショコラもキャッキャ言いながら写メ撮ってた。 「インスタやってんの?」 「うん!美味しそ!いっただきまーす!」 パク!と大口開けて頬張り、んー!と瞼も閉じ、頬っぺたを抑えてる。 焼肉の時もだったけど、癖なんだろうな、と思いながら、俺もショートケーキをパク。 目を見開いた。 「....んっま」 せいぜい、コンビニのケーキくらいしか食べた事無かったけど、全然違う。 クリーム、滑らかで口ん中で溶けるし、上品な甘さ。スポンジも全く違う。 コンビニのより断然、柔らかい。 「美味し?」 ケーキを口元に運びながら聞いてくる。 「うん。あ、苺はやらねーよ?」 「別にちょうだいなんて言ってないし、要らないもん」 初対面の時はなんだコイツ、てなふてぶてしさだったのに...。 目の前でケーキを食べては逐一、頬っぺを抑える蓮を俺もケーキ食べながら眺めた。 「近くでさ、絵画の展覧会やってるんだけど...孝介、興味無いよね?」 店を出て歩き始めると蓮が切り出した。 「絵画?」 「うん。美術部員なんだよね、僕」 「お前が美術部!?」 じと、と蓮に睨まれた。 「なに。悪い?」 「あ、いや、意外だからさ。いーよ、別に」 「ホント!?良かったー!明後日までなんだよねー!」 ニコニコ嬉しそうに微笑みながら歩く、隣の蓮を見つめた。 俺も自然とその笑顔を見つめ、笑顔になった。 これが女なら確実に手、繋いでんだろうにな...。 展示場に着くと、受付からパンフを貰い、フロアを歩く。 絵画なんて全くわからないし、興味もなかったが...一枚一枚、足を止め、目をキラキラさせ瞬きも忘れ、絵画を見上げる蓮の姿の方に釘付けになっていた。
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