41人が本棚に入れています
本棚に追加
優雅な足取りでゆっくり歩く蓮と気がつけば歩幅を合わせて歩いてる。
一枚の絵画に着くと、数秒、下手したら数分、蓮は絵画に食い入り、変わらず、瞬きもせず見つめてる。
今までの女なら、早くしろよ、て唆してただろうな。
そうしてかなりの時間を費やし、出口に着いた。
「ごめんね?興味無いのに...つまんなかったでしょ?」
申し訳なさそうに眉根を寄せ、俺は皺の出来た眉根を人差し指で押さえた。
「そんな顔すんなよ。別につまんない訳じゃなかったし」
「ホント?」
「ああ」
ようやく、俺を見上げた蓮がにこ、と微笑んだ。本当に嬉しそうな純粋な笑顔。
展示会を出て、少し歩いた、その時だった。
「あ!蓮じゃん!」
二人組の女の子が蓮に気づき、近づいて来た。
女にしてはやや背の高い、160ちょっとはありそうな、茶色く染めた長い髪を巻き、胸元の開いたトップスにかなり短いミニスカート。
胸、デカ。
どストライク。
もう1人は160は無さそうな、黒髪で、綺麗な顔立ち。
胸は...普通かな。
「蓮、展示会?」
「うん。奈々たちも?」
「んーん!ウチらは街ブラ!一緒しない!?」
「え?でも...」
チラ、と蓮が俺を見上げる。
茶色い髪の派手目な子がにやにや、蓮に近づき、耳元で呟いた。
「仕事、早いね、蓮。大地よりイケてんじゃん」
「ば、バッカ!そんなんじゃないから!」
蓮が真っ赤。
そのやり取りに笑いそうになった。
奈々、と言う派手目な子と愛美、ていうおとなしめな子も加わった。
変な話し...邪魔、と思う自分がいて、は、となる。
なんで邪魔だと思うんだろ。
女の子、大好きだし、片方はかなりタイプな筈なのに。
暫くは二人の服選びに付き合った。
正直、彼女いる時は一緒に女の服選び、苦手だったから、買い終わったら連絡して、て告げて離れるか、何処かで待ち合わせていた。
蓮はというと、自分が着る訳でもないのに、
「どっちがいいかなー」
と聞かれたら、真剣に悩み、
「んー、こっちかなあ」
服選びに嫌な顔、一つしない。
人がいいのかなんなのか...。
日も落ち始め、
「どっか居酒屋でも行かない?」
と奈々が切り出し、4人で居酒屋へ移動した。
手前に俺と蓮が並んで座り、奥に奈々と愛美。
いざ、目の前にすると奈々のその胸は否応なしに俺の視線を奪う。
条件反射みたいなもん。
座るなり店員がやって来て、俺は生ビール、蓮はレモンサワー、奈々はライムサワー、愛美はグレープフルーツサワー。
飲み物が運ばれてくると全員で乾杯。
最初のコメントを投稿しよう!