アレルギー 夏奈のゆったり事件簿②

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二人が参加した遺跡現場にはパートの主婦が何人が在籍していた。 初日はいろいろと説明を受け、午後のお茶の時間になった。近くにコンビニがあるのでコーヒーを買いに行こうとすると、パートの白蓮喜子がどこへ行くのかととがめた。コーヒーを買いにというと 「まあ、口がおごっているのね」 ともう一人のパートの清水享子がイヤミっぽく言った。 「お茶にしなさい、お金がもったいないでしょう。バイトのお給料は全額家に入れてるわよね」 喜子が当然のように強く言った。 二人は顔を見合わせた。 「あの、何かいくないんですか?」 真希が聞く。 「先輩が誰もコーヒーを飲まないのにあなただけ飲むつもりなの」 「…それって人それぞれの好みですよね」 「まあ、へ理屈を。徳丸文化大のくせに。私はW大だから、うちの子だったら絶対に行かせないわ」 真希も沙也も唖然とした。 そこへ喜子と享子よりは若い女性がお茶を持って来た。 申し訳なさげな眼をしていた。 腹立ちをこらえながら、真希と沙也はお茶をのんだ。のどはからからだったから冷たいコーヒーが飲みたい。 そこへ喜子がクッキーを配った。沙也は真希にそっと渡したが喜子は見逃さなかった。 「何で食べないの」 「私、小麦がアレルギーなんです」 「なんで。うちの子、これ大好きなのよ。一つくらい食べなさい。好き嫌い言わないの」 「嫌い云々じゃないんです。アレルギーです」 「甘やかすからだめなのよ」 「命に関わることですよ」 真希も言ったが、喜子には通じない。 「クッキーを食べない子なんて見たことないわ。変な子。親がどうかしてるわ」
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