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徳丸文化大学史学科に通う川越夏奈は、中国語の授業を受けるために教室へ入った。寝不足でポニーテールの具合もかなりいいかげんだった。
「おはよ、夏奈。聞いてよ」
同じ史学科の市原真希が話しかけて来た。
「なに、なに、どしたの?」
夏奈はまだ半分眠たかった。昨日も新選組隊士の斎藤一のことを検索して夜更かししてしまった。
「遺跡発掘のバイト始めたじゃない」
「あ、そうだよね」
学校の紹介で真希と落合沙也が近場にある遺跡で今週からアルバイトをすることになったのは聞いている。
「それがね、たいへんなことになったの」
真希は話し始めた。
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