不思議な縁

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どうして自分はいつもこうなんだろう。 「……本当は、嬉しかったんだけどな……」 黒沢が帰って行った後、部屋に戻りベッドに倒れ込むとぽつりと呟いた。 最近は独り言を卵に聞いて貰う日も少なくない。返事をするかのように卵が動いた気がして、真央は慌ててベッドから飛び起きた。タオルで包んでいる位置から、僅かに卵が右にずれている。 「う、動いてる……?」 驚いて手に取ると、確かに微かに揺れている気がする。それになんだかいつもより温かい。 日々成長しているのだと実感しなんだか自分の事のように嬉しくなった。 ◆ ◆ ◆ 翌日、学校に行くとまだ黒沢の姿は無かった。せっかく昨日の事を話そうと思っていたのに。 まぁ、いいか。どうせすぐに来るだろうし。動いたって言ったらどんな反応するだろう? 驚くかな? 喜んでくれるといいな。 そんな事を考えながら席に着くと、いつもつるんでいるクラスメートの南が声をかけてきた。 正直、南の事はあまり好きじゃない。 何処となく、中学時代に自分を虐めていた相手と近い感じがするし怖い。 でも、たまたま席が前後だったせいもあり、話しかけられてそれに応えているうちにいつの間にかグループの一員として見られるようになっていた。
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