介護ドロイドは電気アンマの夢を見るか?

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そろそろ足腰の弱りはじめた祖父母のために、わが家でも介護用ドロイドを購入することになった。 介護用といっても使い道はさまざま。 炊事洗濯もすれば料理もつくる。 乳幼児の面倒だってみる。 あと特殊な使い方ではあるけれど、こっそり夜のお相手をさせるなんてことも……。 そして待ちに待った配達日。 共働きの両親に代わって、大学夏休み中のおれが商品を受領することになっていた。 のだが……。 「ええっ、なんだよこれ?」 あきれ顔のおれを見て、納品にやって来た営業レディはさも不思議そうに首をかしげた。 「どこかお気に召さない点でも?」 「いやお気に召さないもなにも……」 「あ、なるほど」 営業レディはポンと手を打った。 「ナース服のスカートが短すぎるということですね?」 「いやそこは問題ない。というかむしろもっと短くてもいいくらいだ」 「ではこの白いニーハイソックスが、あざと過ぎると?」 「あざと過ぎないっ。ナースなら白いニーハイソックスは必需品っ」 「じゃあ……なるほど分かりました。このゆるふわツインテールと猫耳カチューシャがいけないんですね」 「そこ変えちゃダメっ。直球どストライクなんだからっ」 営業レディは困ったような顔をした。 「ではどこがダメなのでしょう?」
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