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自由とは
「リリア様・・・どうしたのです?何か悪いものでも口にされましたか?」
私は顔が熱くなるのを感じながら必死になって言った。
「はぐらかさないでよっ・・・私はもう成人したの。真面目に答えて」
「俺は・・・君に相応しくない」
「何言って・・・」
「前に言っただろう・・・俺は、魔王ステファンから生まれたって・・・そのせいか、普通の魔族とは身体の作りが色々違うみたいなんだ」
「・・・・・・」
「俺は・・・人族と結婚しても相手に寿命を分け与えることや、魔力を半分渡すことが出来ないんだ」
「え?」
「それだけじゃない・・・魔族なら普通は感じる他人の魔力を俺は感じないんだ。だから、相手が自分より強い魔族かどうかなんて分からない・・・闘って初めて気がつくんだ」
私は何故彼が家出をしたのが、人族と暮らしながら、国を渡り歩いて暮らしているのか、だんだんと分かってきてしまった。
「人と仲良くなっても、みな先に逝ってしまう・・・リリア、君も例外じゃない。傷つく位なら最初から手に入れなければいい・・・手に入れなければ、失うものは何もないんだから」
「ごめんなさい、ストラウド・・・貴方を追い詰める様な言い方をしてしまったわ。人の・・・人族や魔族の考え方は、それぞれだもの。無理に誰かを想う必要はないわ・・・貴方が望むときに望める人と一緒になるべきよ」
「ありがとう・・・俺は、やっぱり城を出るよ」
「何言って・・・」
「宰相補佐を辞任する・・・もともと君が成人するまでの予定だったんだ。仕事だって、もう1人で出来るだろう?」
「ストラウド、貴方がいなければ私は・・・」
「君にいい人が現れるのを祈っているよ・・・俺がまた、流浪の民に戻るだけの話だ」
「・・・・・・」
「サクフォン伯爵、いい奴だったろ?」
「ストラウド、私が貴方の好きな人を決められないように、貴方も私の好きな人を決める権利はないわ」
「・・・・・・ああ、そうだな」
「好きでいるのは、自由でしょう?」
「・・・・・・・自由だ」
私は泣きそうになりながら、彼に向かって微笑んだ。
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