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唇の先がチョンと降れる。
全身に電流が走る。
私は堪能する。その電流を。
そして相手の唇の先をはむっと自分の唇で挟む。
まだ吐息で会話をする。
優しく、優しく。何度も軽く相手の唇の先を挟む。
本当に小鳥がついばむみたいに。
相手が興奮すると自分も嬉しい。
でもまだまだ私の儀式は終わらない。
何度違う人と体を重ねてもこれには勝てない。
とろける様な、目眩がする様な、不思議な時間。
ただ顔を付き合わせているだけなのに。
それ以上は何もしていないのに。
ある意味、ここまでが恋人未満であったわけだから、当たり前だがお互いその場でガツガツしたり、いきなり体の関係になる事はない。
ただ儀式を大切にし、多分相手を一番いとおしく思い、大切にしたい時間なのだと思う。
自分を受け入れて貰えた。自分の思いが叶った。
そもそもその時はそれだけで舞い上がっているわけだから、始めてのキスが興奮しないわけがない。
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