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温かく荒い息も心地よく感じる。
そこにはそれしか音がしない。
台詞はなくていい。
頭の中は
「好き、、、大好き。」
で一杯。
そして全集中しているのは唇の先だ。
私はしばらく軽いついばみを続ける。
そして一息ついて顔を離し、もう一度相手の顔をじっと眺める。
視線さえ、熱い。
じっと見つめあっていると自然にお互いの顔が近づき、お互いの唇を求めようとする。
今度は寄り道をせず、真っ直ぐ相手の唇を捕らえ、ゆっくりと触れてる幅を広く、当てる。
唇の先から下唇の柔らかさを実感しながら、ゆっくりと、ゆっくりとお互いの膨らみは密着する。
気持ちいい、、、
くらくらは続く。
柔らかく、素敵。
繋がってる唇への悦び。
唇を伝って私の気持ちも伝えて欲しい。
相手に触れる事を許された悦び。
もう、友達じゃない。
溢れる感情でいっぱいになる。
初恋をいつも私は思い出す。
あの時は勇気がなくて思いを伝える事も出来なかった。
見ている事しか出来なかった。
それから二度目の恋をし、お互いの気持ちを知り合った悦び。
そして、始めてのキスを私はした。
大好きな人との、たかが唇を重ねるという単純行為で、こんなにこんなに熱くなれるなんて。
ドラマや映画、マンガの中では軽く簡単にしているキス。
ふーん。と眺めていたそのキスはいざ自分になると、単純なものではなかった。
神秘的で刺激的でたくさん緊張し、そして興奮し、悦びを与えてくれた。
手を繋ぐのとも、目が合うのもとも違う。
デートの待ち合わせにドキドキした気持ちとも違う。
なんていうか、二人の、ただ二人の世界。
二人にしかわからない世界。
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