キスまでの距離

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触れあったままの唇は熱い。 お互いの鼻息も、熱い。 全集中している唇はお互いの肉感を確かめ合う。 これでもかと云わんばかりに集中し、情報収集しようとする。 たくさんの面積を重ねあった唇をまた離す。 そしてまた相手の顔を見る。 一度目、二度目、顔つきが変わる。 初めは緊張。 二度目は興奮。 そして三度目は、求め合う。 顔を離して見つめ合う度に好き好き度みたいなのがあがる。 熱病に侵されたかの様にそれは徐々に高まる。 お互いがお互いの事しか見えなくなった時、相手がその度にいとおしく思う度に、熱量は加速して行く。 三度目のキスをする。 先ほどまでのついばむキスとは違う。 何故か唇は半開きになり、何かを求めるかの様に相手の唇を食するかの如く唇を唇で挟む。 お互いがそうするものだから上唇、下唇の取り合いになる。 そうなると角度をかえ、タイミングをかえ、お互いの唇を求め合う。 すると不思議。 ただ唇を求めあって、もっと、もっと、もっとしたい!と思う様になる。 キスがこんなに興奮するものなのだと、多分この時に初キスの虜になるのだと思う。 肉食獣の様にお互いの唇を貪る。 ただ、それだけだ。 唇だけを貪っているのに、心はそれ以上の刺激を受ける。 キスをすればするほど、中毒かと思う位に【欲しい】が暴走する。 ただ触れていたい。キスしていたい。もっともっとキスがしたい。 相手がいとおしくて、いとおしくて、私が欲しくて欲しくて、、 あまりに貪るものだから、たまに息をするのを忘れる事がある。 「はあっ、、、」 と一瞬息継ぎする為唇を離す。 でも私はそれを許さない。 もう唇が離れている事自体が嫌なのだ。 「んっ!んんっ!」 相手は目を白黒させる。可愛い。 でも結局キスの欲求には逆らえない。 お互い荒く息をし、求め合う。
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