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初めてあのこたちを助けた時に、私は小さな水槽を買ってきて、ひとまずそこであのこたちを保護した。
それから毎日少しずつ、あのこたちが住みやすいように小さな世界を作っていった。最初は殺風景で、あのこたちが見えない家族や友人には、寂しい箱庭とか華のない箱庭とか言われていた。
でも私の目には、楽しそうに笑顔で生活して、時折手を振ってきたり、話しかけて来たりするあのこたちが見えるから、全く寂しいとは感じなかったけれど。
「また新しい家も作ってあげないと」
嬉しさで顔を緩めつつ、私は5本並ぶ木の横に新たな6本目の木を植え、その木の下に、卵液を洗い流し綺麗にしたあのこたちを、優しくピンセットで摘んで運んだ。
これで救出が成功したのは6回目。
この小さな世界も、また少し賑やかになるし、そろそろ少し窮屈になってしまうかも?でも、元の卵の中の暮らしよりは、多分まだまだ広いはず。
そんな事を考えて見ていると、木の下で目を覚ました新たなあのこたちの周りに、既に私の作った小さな世界に住むあのこたちが、笑顔で駆け寄っていった。
新たなあのこたちは戸惑っているけど、今回も仲良くやっていけそうな雰囲気。
「仲良くするんだよ〜」
驚かせないように小声でそう言うと、ひとりが見上げて、笑顔で頷いて手を振った。
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