ヘンゼルとグレーテルが家に帰ることができた理由

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ヘンゼルとグレーテルが家に帰ることができた理由

 昔々、あるところに貧しい一家が住んでおりました。  お父さんとお母さん、二人の兄妹。  兄はヘンゼルと言い、妹はグレーテルと言いました。  ある日、貧しさに耐えかねたお母さんは、口減らしのために子供達を森に捨てようと提案します。  お父さんは反対しましたが、残念ながらヘタレなお父さんはつよつよなお母さんに勝つことができません。渋々、言われるがまま子供達を森の奥へと連れていきました。  なお、お母さんの声がバカでかいため、兄は二人の会話を全部盗み聞きしていました。  夜中にこっそり拾っておいた光る白い石をポケットいっぱいにつめておき、歩いていく途中に石を落としていくことで帰り道が分かるようにしておいたのです。  二人は無事に帰還できました。お父さんは安堵したようですが、お母さんは心の中では怒り狂っています。今度こそ、二人が戻ってこられないように森の奥深くに捨てるように画策します。  残念ながら、その日の夜は戸口が締まっていたせいで、兄は石を拾いにいくことができませんでした。  そこで兄は考えます。  今度は、石を落として歩くことができない。では、どうすれば帰り道を見失わずにいられるのか?  お弁当として与えられるパンを落として歩く?いや、普通に考えて、森の動物とか鳥とかに食べられてしまうでしょう。そうなったら帰り道がわからなくなってしまいます。では、どうするのか?
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