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駅の南口を出ると、明るい大通り。しかし、私が向かうのはその反対側。こちらは薄暗い住宅地で、線路向かって反対側とまるで別世界だ。
自宅へ続く薄暗い道を歩いていると、遠くの空に白いものが横切るのがみえた。
「まあ、何かの見間違いでしょう」
明らかに私の歩みが早くなったが、決して怖いわけではない。
お化けとかいるわけないし。
そんな非科学的な現象あるわけないし。
不審者が怖いだけだし。
「せーいな」
「わっ!!」
不審者かと思って振り向くと、それは山上神社で巫女をしている山上景子(やまがみ けいこ)だった。大学時代の同級生である。
「子供かっ」
「心はいつまでも若いので」
上目遣いでかわい子ぶってくる。実際可愛いからずるい。
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