妖カウンセラー

2/13
前へ
/13ページ
次へ
 駅の南口を出ると、明るい大通り。しかし、私が向かうのはその反対側。こちらは薄暗い住宅地で、線路向かって反対側とまるで別世界だ。  自宅へ続く薄暗い道を歩いていると、遠くの空に白いものが横切るのがみえた。 「まあ、何かの見間違いでしょう」  明らかに私の歩みが早くなったが、決して怖いわけではない。 お化けとかいるわけないし。 そんな非科学的な現象あるわけないし。 不審者が怖いだけだし。 「せーいな」 「わっ!!」  不審者かと思って振り向くと、それは山上神社で巫女をしている山上景子(やまがみ けいこ)だった。大学時代の同級生である。 「子供かっ」 「心はいつまでも若いので」  上目遣いでかわい子ぶってくる。実際可愛いからずるい。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加