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あまりのことに夏樹は目を丸くし、本当に体から力が抜け始めた。
だが柊吾が片手で抱き止め、夏樹を見下ろしながらこう言う。
「な、夏樹も流れ星みたいだろ」
「……っ!」
その笑顔は星が舞ったように眩しくて、夏樹はいよいよ目眩を覚える。
キラキラ、パチパチ、例えるならばそんな音で今も夏樹に降ってくるのだ、柊吾の光が。
流れ星は一瞬だけれど、何度だって夏樹に落ちてくる。
そのひとつひとつが夏樹の胸の真ん中で、ロードスターとして輝く。
自分のことも同じ星に例えてくれる柊吾に、果たして同じだけのものを見せられるのか。
自信はないけれど、確信できることはある。
そうあれるようにいつまでもどこまでも、走り続けられる。
そう思える力を柊吾が与えてくれるから。
「柊吾さん!」
「んー?」
「大好き!」
「っ、ん……俺も」
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