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「夏樹って呼んでいい?」
「もちろんっす!」
「ありがと。これから楽しみだね」
「はい、すげー気合い入ってます!」
「はは、素直でいい子だなあ。じゃあ帰ろうか、我が家に」
「っす!」
晴人の気さくな人柄を有難く感じながら、エレベーターで一階まで下りる。
ひとりじゃない道は、来た時よりも足取りが軽くなる。
だがこの後大事件が起きることを、夏樹はまだ知る由もない。
ずっと追い求めてきた流れ星のような煌めきがすぐそばで光っていて、そしてそれが散り散りになってしまう――なんて。
胸は希望で満ちていて、考えもしなかった。
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