義叔父

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「清一っ」  自分を組み敷く男が獣の如く吠えた。ビリビリと鼓膜が揺れる。痛いほどの叫びだった。  そのままスラックスを下着ごと脱がされる。心臓がギュッと締め付けられた。この男にこれから……。そう考えると涙が溢れてきた。怖い、嫌だという感情しか無かった。  男は優しさというのをまるで知らないようだった。太く、ゴツゴツした指が下半身を(まさぐ)る。穴をスッと撫でたかと思うと、乱暴に入れられた。 「ぐっ、うう」  痛みで目の前に火花が散った。男は我関せずに指を抜き差ししている。何本入っているか分からない。指が完全にそこから出るか出ないかの所まで引き抜くと、勢いよく奥へと捩じ込まれる。 「うあっ……うっ……うぐっ」  その度に情けない声が漏れてしまう。恥ずかしさを感じる前に、自分が情けないと思った。こんな男に抵抗できないまま、犯されている自分が情けない。 「入れるぞ」  今まで黙ってた男が掠れた声で言い放つと、さっきまで指で乱暴していた所に熱いものを押し当てた。 「嫌だっ嫌だ嫌だ嫌だ!」  全身の力を振り絞って四肢をバタつかせる。しかし、その抵抗は無意味だった。  ドンっと腹の奥に重い衝撃を感じたかと思うと、激しい痛みが下半身に走った。もの凄い圧迫感と痛みで意識が飛びそうになる。いや、いっそのこと気を失った方が良いのかもしれない。  男の腰遣いは荒かった。獣であった。何度も何度も腰を打ちつけられ、卑猥な音が響く。聞きたくはなかった。涙は止まらなかった。 「いや……いやっ……やめっ……」  この凶暴な男は望みなど聞かないだろう。だが、必死に懇願した。ただこの痛みと恐怖から抜け出したかった。
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