彼女のポーチドエッグ

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 朝までカラオケで歌った。漫画喫茶で夜を明かすはずが涼花(すずか)が歌いたいというのでカラオケに行った。オールナイトフリーコースというコースで僕たちはひたすら歌った。  よくもまぁ歌う曲がなくならないなぁと言うほど歌った。  朝も5時となり、僕と涼花はカラオケを出た。 「なんかお腹空かない?」  と涼花が言った。綺麗な透きとおるような高い声が、一晩の遊びでガラガラになっていた。 「あー、そういえば。今日は授業ないし、どこか寄ってくか」 「行こう行こう」  正確には授業がないわけではない。「出席を取る授業がない」だけだ。授業があるのに休む、これは大学生だけの特権だ。一年の頃には真面目に通っていたのに、二年も真ん中に差し掛かると僕も涼花も、今ではサボることに何のためらいもなかった。  昼間はたくさん車が通る大通り沿いにファミレスがあった。朝の5時からちゃんと食べることができるのは、この辺ではファミレスぐらいだ。歩き回ってもほかに適当なお店はなさそうなので、僕たちはそのファミレスに入ることにした。
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