18. 2人はいつまでも

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 少し前にエドのお父さんからこの部屋の意味を聞いていた私は、思わず口ごもってしまう。もう! エドもなんとなく察してほしい! 私の首筋にキスしてる場合じゃないってば! 「客間にしては多すぎると思うし、店の倉庫は別に借りるし……」 「ほら、その、空き部屋の場所が、ね?」  私は設計図を指差し、空き部屋が私達夫婦の部屋の隣にあるのを教える。 「……ああ! 子供部屋か!」  ようやく気づいたエドはニコニコと「父さんも気が利くな」と笑って、私をぎゅうっと抱きしめた。 「それならもう子ども用の家具とか、買おうか?」 「エド……お父さんたちは孫用の家具を競って買ってるのよ。お母さんたちは洋服や絵本を買ってるわ。」 「知らなかった」  自分で言うのもなんだけど、あなたは私ばかり見てるからね。全然まわりのことを気にしていない。今だって家の中だから良いけど、外でもすきあらばキスしてくる。 「絵本といえば、私達のあれが絵本になるなんてね……」 「教科書にも載ってるぞ」 「エドはまだいいわよ。私なんてあの時もう記憶があったから、授業の時なんだか恥ずかしくて」  そう、私達のあの戦いは絵本どころか、教科書にも載っている。まあ大きな出来事だもんね。それでも当事者の私にとっては、なんだかおとぎ話の主人公になったみたいで実感がわかない。あの絵本は私達2人が過去を乗り越えた証として、大切に持っているけどね。  でもそれならば私達は絵本の主人公のように、「2人はいつまでも幸せに暮らしました」と終わらせなくちゃいけない気がする。  私は後ろを振り向き、エドの瞳を見つめる。何度生まれ変わっても、また一緒にいたい。次はもう記憶がない予感がする。それでも私は誓いたい。 「生まれ変わっても、絶対に幸せにしてあげるからね」  私達は今日何度目かのキスをし、幸せをかみしめた。 本編 END   次から番外編です
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