いつも車で移動していた

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家の中で過ごすのがもったいないくらい、外は暖かい。 こんな時は、どこかに出掛けたくなるものだ。 そんな思いを胸に、私は車に乗った。 だけど、エンジンがかからない。 私は車から降りて、ボンネットを開ける。 原因はすぐに分かった。 昨日、この車を運転していたは息子だ。 「どういうことだ。バッテリーがあがってるじゃないか」 自宅リビングに戻った私は、ソファーで寝そべっている息子を叱責する。 「まじで。ごめん」 「ごめんじゃない。どうにかしろ」 「どうにかしろって言われても」 「お前がやったんだろ」 謝罪だけで何もしようとしない息子に、私はイライラした。 「まぁまぁお父さん」 妻が息子と私の間に入る。 「あんた、JAFに入ってないの?」 妻の問いに、息子は 「入ってない」 と答える。 「何考えてるんだ。JAFにも入らないなんて」 私は激しくイライラして、話し合いでは納得できなかった。 「この野郎」 私は、息子の胸ぐらをつかんだ。
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