いつも車で移動していた

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妻からの命令もあり、私は息子と一緒に部屋の片付けを始めた。 リビングに散乱した物は、一つ一つ手にとって、もとの位置に戻した。 壁に穴が開いた箇所は、パテとテープを使って、もとの壁に戻した。 片付けが終わると、私はJAFに連絡をして、動かなくなった車を指定した自動車整備工場まで運んでいただくようにお願いした。 JAFは手際良く対応してくれた。 私は自動車整備工場にも連絡をして、修理してもらうようにお願いした。 工場側は「すぐに直せるから、数時間経ったら来て下さい」と言ってくれた。 連絡が無事に終わり、私は一息つく。 車の修理費は、息子に出してもらうようにお願いした。 息子は、何も言わず了承してくれた。 当然と言えば、当然だ。 私は息子に、もう一つだけお願いをした。 「車を取りに行ってくれないか」 「親父ごめん。これから約束があって……。タクシー代出すよ」 私の頼みは、息子に届かなかった。 息子はタクシー代及び車の修理費と言う名目で、財布からお金を取り出し、私に差し出す。 私はお金の受け取りを拒否した。 「歩いて行く。修理費は後で請求する」 「工場まで遠いぞ。大丈夫か?」 「大丈夫だ」 私はそう言い切り、息子を睨みつける。 息子の態度に、私はイライラした。 車が動かなくなったのは、まぎれもなく息子のせいだ。 それなのに、息子は何もしない。 私だけが動いている。 これはたまったものじゃない。 だけど、妻のことを考えたら、喧嘩は出来ない。 私は、このイライラをどうにかしたかった。
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