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任務を終えたティアラは保健室のベッドで、すやすやと気持ち良さそうに眠っていた。
伸ばしていた前髪も、もう切ってもいいだろう。
明日から平和に過ごせるだろうなぁと思いつつ、結局空回りして騒いでばかりいた自分が情けなく思った。
自分も頭を使ってリンナやカイナのように上手く立ち回れたのなら良かったのにと、今まで何度思った事だろう。
けれど、ティアラの意思を優先して結局何もしなかったのだ。
(だからお前は甘いんだって、言われんだろうな……)
ティアラはリンナやカイナが"御側付き"になる事は望まなかった。
スター家の三兄弟の中で一番やる気もなく出来が悪い自分を指名したのだ。
理由は『マジェの側が安心する』という喜んでいいかよく分からない理由である。
リンナは簡単に状況を一転させた。
ティアラの性格をよく知っていて、ぬいぐるみを利用したのだろう。
そう思えば「ティーちゃん、我慢し過ぎはダメよ?」と言っていたのも合図だったのだろうか。
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