351人が本棚に入れています
本棚に追加
資料を作成していたカイナは素早く現状をまとめ上げて、ティアラに手を出していた令嬢や令息達の家へと、ブラッドが用意した王家の使者とスター公爵と共に各家々にスキップしながら向かった。
自分が何をされても怒ることのないティアラだが、マジェストやリンナやカイナ、ミストやセスに何かあると全力で応戦し怒りを見せる。
今回も"リンナの宝物のぬいぐるみ"というのが大きなポイントになったのだろう。
シシナードもそうなのだが、フルムーン家の当主達はいい意味でも悪い意味でも何にも執着しない。
地位にも、名誉にも、お金も必要としないが、仲間の危機には駆けつけるし愛情深く義理堅い一面もある。
こうして影の王族であるフルムーン家を、スター家がコントロールしながら上手く使っていくのである。
そんな舵取りも上手く出来ないでいる自分を、ティアラは幼い頃からずっと気に入っている。
「はぁ……」
ゴロリと寝返りを打ったティアラにシーツを掛け直す。
寝顔を見ていると此方まで眠くなってくる。
欠伸をしてティアラの横に寝転がった。
最初のコメントを投稿しよう!