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起きると体が大分楽になっていた。
窓の外にはオレンジ色の夕日が見える。
太陽が沈む瞬間……眩しいのに変わりはないが空には月がくっきりと浮き上がる。
(もうすぐ夜が来る……)
気分は自然と気持ちは上向きだ。
体を伸ばしながら、隣で爆睡しているマジェストの鼻や頬をツンツンして遊んでいた。
「あー……やべ。寝ちまった」
「気持ちよかった?」
「お前の寝顔を見てると眠くなるんだよな。体の調子は?」
「ん……スッキリ」
「なら、良かった」
マジェストが立ち上がり乱れた髪を直していると、ガラガラとドアが開く音がして、扉に視線を流す。
「リン姉……!」
「ティーちゃん、おはよう!」
「大丈夫だった?」
「大丈夫に決まっているじゃない」
「でも……ぬいぐるみが」
「もうっ!ティーちゃんは優しいんだから!あのクマはわたくしの宝物じゃないから安心してね」
「え……?」
「ウフフ、ゴミを掃除とティーちゃんのスイッチを押す為に必要だったの。お陰でとっても綺麗になったわ!!ティーちゃんは何も心配する必要ないわ」
「そっか……リン姉の宝物じゃなくて良かった」
「ありがとうね、ティーちゃん」
その言葉を聞いてホッとして微笑んだ。
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