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「殿下、私は……」
「分かってる!!でも、まだ返事をしないでくれ!お願いだ」
「…………?」
「恥ずかしい話なんだけど、ずっと長い間……君に片想いしていたから、今振られてしまえば立ち直れないかもしれないっ!!」
「えっと……」
先回りするような形で返事をすることすら断られた為、どうすればいいか迷っていた。
小さく震えているブラッドは顔を逸らしたままだ。
昼間に見た彼は圧倒的なオーラを放っている輝く太陽のようだった。
しかし今はブラッドのイメージとはまるで違って見えた。
暫くの沈黙が流れた後、口を開く。
「あの……では、友達からお願いします」
「!!」
「私は殿下の事を、よく知りませんから……」
そう言うとブラッドは安心したように、ふにゃりとした笑顔を浮かべた。
「とても嬉しい……!君さえ良ければ、こうして夕方に会わないか?」
「分かりました」
「ありがとう、その……"ティアラ"と呼んでもいいかな?」
「…………はい」
城に着くとすぐ様、燕尾服を着たボーイッシュな女性がやってくる。
御礼を言うと更にふにゃふにゃと力が抜けてしまったブラッドを連れて行ってしまった。
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