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「マジかよ!噂通りだ……本当に美しいな」
「君だろう?月の妖精って呼ばれてる伯爵令嬢は」
「俺らと一緒に遊ばない?」
「ティアラって可愛い名前だね」
「…………」
令息達がティアラを取り囲み声を掛ける。
普通に過ごせると言っても、太陽が輝いている昼間はまだまだぼーっとしている事も多い。
普段から無表情であまり感情が動かない為、男達は何も言わないことを肯定と取ったのか、テ触れようとした時だった。
「ーーやめろっ!その手を離せ」
マジェストが息を切らしながらやってくる。
触れないように制止するが、時既に遅し。
「ハハッ、なんだ?騎士気取りかよ」
「行こうぜ?ティアラちゃ……ーフゴッ!!」
「なっ、お前……グハッ!?」
「ーーうわあぁっ、ブッ!!」
「あ゛ぁー!もう面倒くせぇ!!だから言っただろうがッ」
あまりの苛立ちに頭をがむしゃらに掻く。
こうして馬鹿な令息は意識が朦朧としているティアラに絡んでは半殺しにあう為に、少しでも遅れて制止が遅れればこの様である。
次第にティアラの危なさは知れ渡ってきているが、姿の露わになる度に、この手の事件が頻発する。
「誰が後始末すると思ってんだよ!!クソ」
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