本編

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「殿下はティーちゃんへの愛が重すぎるのよ」 「……あぁ、そうなんだ。俺もそう思っている」 「否定しないところも清々しいわ」 「当たり前だろう?俺は今、死ぬほど浮かれているんだ!!」 「他の御令嬢には一切興味を示さなくて国王様もお手上げ状態……ティーちゃんが初恋で、それから十年ずっと片想いしているんですもの。拗らせてるわよねぇ」 「そんなティアラと毎日喋ることが出来て、幸せすぎて怖いくらいだ」 「本当、キラキラしてて眩しいからそれ以上浮かれないで頂戴」 「無理だ!最近は気持ちが抑えられない……可愛すぎて襲ってしまいそうになる!そうなったら誰か俺を止めてくれ」 「ああ、それなら安心ね」 「え……?」 「ティアラに、いきなり抱きついたりすると半殺しにされるから気をつけてね?」 「…………!」 「骨数本は覚悟した方がいいわよ~」 「くっ……それでもいいからティアラの近くに居たいと思ってしまう」 「末期だわ」 「ははっ、そうだね」 ブラッドがティアラに恋をしたのは、まだシシナードが王城の警備をしていた時の事だった。 月が出ると力もやる気も元気も全て奪われてしまう為、月が大嫌いだった。
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