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リンナが二人の口にクッキーを捩じ込む。
ミストはティアラの事になると途端にアホになるのだ。
それはブラッドも同じである。
「最近は笑顔を見せてくれるようになって……それがもう可愛いの何の」
「確かにティアラの笑顔は世界一だ」
ミストとブラッドが力強く頷いている。
ティアラは感情が表に出にくい分、笑顔が特別に感じるのである。
「それにティアラが昼間に動けてる。殿下も夜に部屋から出れる……それが動かぬ証拠でしょう?」
リンナがクッキーを摘みながら言うと、頬をほんのりと赤く染めるながら頷いた。
二人の体質は互いに好意を持ち、想いが通じ合うことによって軽くなる。
つまりティアラがブラッドに出会ってから体質が軽くなるっているということは、恐らくティアラも無意識ながらに気があるということだ。
「そうか……あぁ、こんな日が来るなんて」
「見てミスト。あの顔、幸せそうで腹立つわ」
「リンナ、言い過ぎ」
リンナがイライラした様子でミストを睨みつける。
「もしかして婚約者と上手くいってないのかな?」
「どうして分かるのよ……」
「リンナの事だもの」
ミストが和やかに微笑んでいる。
頭をポンポンと撫でる。
「その顔、腹立つわ」
「リンナも幸せになれるよ」
「当たり前でしょ!」
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