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ーーー生徒会室がそんな会話で盛り上がっている頃
クラスメイトが半分減ったスカスカの教室にティアラとマジェストは戻って席についた。
シシナードの言葉を思い出していた。
『互いに想いが通じれば呪いは薄れていく』
それは自分も実感していた。
この状況を見る限り、どうやらあの馬車でブラッドに告白されたのをキッカケに、強く意識するようになったのだ。
(……好き、なのかな)
いまいち気持ちがハッキリしない為、悩んでいた。
そもそも恋がどんな気持ちかは分からない。
しかしブラッドと共にいると心臓が不整脈を起こす。
敵もおらず、緊張していないのに手のひらに汗が滲む。
人生で初めての経験にモヤモヤしたものを感じていた。
(これは、体調不良……?)
あの一件からブラッドは嬉しそうに話をしてくれるが、再び愛の告白をすることはなかった。
ブラッドはずっと自分を好きだったと言っていた。
しかさせ昔からブラッドは護衛対象者でしかなかった。
初めて城に行った時に、月明かりが気持ちよくて屋根の上で月を見上げていた。
不穏な気配を感じて周囲を警戒していると、窓が開いた。
そこからシーツを被った男の子が窓から身を乗り出したのだ。
そして窓が開いたタイミングで暗殺者が動き出した。
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