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シシナードは三人をロープで縛り上げながら機嫌良さそうに語っている。
ティアラは服を整えながらシシナードの話を聞いていたが……。
ーーーバタンッ
ティアラはその場に倒れ込んだ。
「ティアラッ!?」
「っ、ティーちゃん大丈夫!?」
「これだけ昼間に動ければ十分だが、まだ完全じゃないようじゃな」
「ん……」
「夜ならば、ワシがくる前に全て片付けていただろう?」
「…………はい」
「ティアラ、いくらなんでも頑張りすぎじゃ。少し休んだ方がいい」
「シシ爺……それって」
「無理が祟ったのじゃ……懐かしいのぅ。ワシも婆さんの為に昼も夜も起き続けた結果、よく倒れたもんだ」
「え!?」
ブラッドがその言葉を聞いて声をあげた。
ティアラは昼間は学園に通い、夜も働き通しだった為、いくら体が丈夫なフルムーン家当主でもこれ以上は体が持たないのだと説明した。
「すみません……!俺がっ、我儘を言ったばかりに!!ティアラに負担がっ」
「ソレイユの坊か。デカくなったのぉ」
「シシナード様っ、申し訳ありません!浮かれていたばかりに!!」
シシナードは焦るブラッドを見て目を細めた。
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