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「殿下……?」
ブラッドは顔を真っ赤にさせて、ティアラに向かって叫んだ。
「ーーティアラッ!!俺は決して不純な気持ちでキスした訳ではなくて!」
「…………き、す?」
「っ、俺は本気でティアラを愛しているからこそ……!そ、それにずっと大好きな気持ちは誰にも負けない自信ならあるからッ」
「ーー!」
「だから愛する者のキスと言われて、ティアラが目が覚めると思って……俺はっ!!」
「……」
「君を世界で一番愛しているからっ!」
ブラッドが焦って言い訳を繰り返していると、その言葉を聞いたティアラが唇を押さえて、珍しく顔を真っ赤にさせた。
それと共に、我に帰ったブラッドも頬を赤く染める。
マジェストはヒューと口笛を吹く。
周囲は予想を飛び越えていくブラッドの熱烈な告白を聞いて騒めいている。
「ぁっ、いや……違!違くはないが、違うんだ!!もう俺はどうすればいいんだ」
「シシ爺がティアラが熟睡してる間に仕掛けろって煩くてね!ブラッド、いつものヘタレ具合が嘘のようにカッコ良かったよ」
ミストがブラッドの問いに答えるように口を開く。
瞳には笑うのを堪えた為か、薄らと涙が溜まっている。
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