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令嬢が喜びそうなドレスショップやアクセサリーショップを覗いてみたりしたものの、ティアラの反応はかなり薄い。
何かプレゼントしようと思っていた為、どうしようかと悩んでいた。
そもそもティアラはドレスに全く興味がない。
それにアクセサリーは護衛の邪魔になってしまうことは分かっていた。
けれど武器屋の前を通りかかった時にはティアラのテンションは今まで見たことがないほど上がっていた。
いつの間にか武器屋の亭主と仲良くなった。
詳しく話を聞いているとシシナードも御用達の武器屋だそうだ。
シシナードの孫だと分かると、短剣を買ったティアラに暗器をおまけしてくれたようだ。
大喜びして目を輝かせるティアラを見て負けた気分でいた。
ふとティアラの視線の先……あるものを見ている事に気付く。
ブラッドはティアラの手を引いて、その店に入る。
「今日の御礼にプレゼントするよ。好きなものを選んでくれ」
「え……」
ティアラは驚いた顔をする。
選択を間違ってしまっただろうかと不安になっていると、ティアラはキョロキョロと辺りを見回した後に一体のテディーベアを手に取った。
大きめなテディーベアの首元には赤色のリボンが巻かれている。
橙色の珍しい色のテディーベアをギュッと抱きしめる。
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