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会計をして馬車へと戻ると、ティアラがテディーベアを嬉しそうに抱きしめている姿を見て安心して息を吐き出した。
テディーベアとティアラという最強の組み合わせにデレデレしていた。
その後、ティアラに問いかける。
「ティアラはぬいぐるみが好きだったのか」
「……はい、ふわふわで可愛いです」
「はは、確かにすごくすごく可愛いね」
正確にはぬいぐるみを抱きしめるティアラが可愛いのである。
「それに……」
ティアラはテディーベアの頭からひょっこり顔を出して、少し照れたように言った。
「この子、ブラッド殿下に似てるから……」
「!!!」
「可愛い……大切にしますね」
そんなティアラの尊い姿と無邪気な笑顔に、人生で初めて雷に打たれたような衝撃を受けた。
テディーベアをギュッと抱きしめてからキスをするティアラの姿を見て口元を押さえた。
「ーーッ」
「ブラッド殿下……?」
「……」
「ブラッド殿下、大丈夫ですか?」
「……」
「大変ッ!」
あまりの嬉しさと感動で昇天したブラッドを、ティアラは抱え上げて城へと運んだのだった。
end
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