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式が始まるまで、生たまごの親戚たちは教会の前に集まってリラックスしていました。
タキシード姿のゆでたまごは妻の塩と共に、ブラックスーツにグレーのネクタイでキメているのにバッチリ寝癖が立っている味付たまごに話しかけました。
「味付たまご久しぶり。寝癖ついてるぞ」
味付たまごはゆでたまごたちに逆に寝癖を見せつけて答えました。
「こういう風に寝癖があったりする方が、守ってあげたい心をくすぐってモテるんだよ」
「まだ遊びたいのか。お前もそろそろ結婚したらどうなの」
ゆでたまごは呆れたように言いましたが、味付たまごは首を振ります。
「ラーメンのやつ次第だななんて。政治家は塩さんと結婚して幸せ?」
「最高だよ。色々な料理に呼ばれて彼女は忙しいけどね」
「政治家はサラダくらいにしか呼ばれないもんな」
「そんなことないから」
二人のやりとりを聞いていた塩が不思議そうに口をはさみました。
「何でうちのゆでたまごが政治家なの?」
味付たまごが答えました。
「ああ。言ったことなかったですかね。ゆでたまごの『ゆで』は『茹で』って漢字があるのに平仮名で表記されることが多いから、選挙の時に苗字とか下の名前を平仮名にする人間みたいだと思って」
塩は共感したようで手を叩いて大笑い。
「それで思い出したけど、私もあなたたち『たまご』にずっと思ってたことがあるの」
塩の言葉にゆでたまごと味付たまごは興味深く食いつきました。
「あなたたちたまごは人間でいうと男だけど、『卵』って漢字にすると人間の女性の胸部に見えるから可笑しいわ」
「なるほど!」
と、たまごの二人は膝を叩いて大笑い。
その後、時間となり生たまごと白飯の結婚式が始まりました。
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