橋木とお話してみよう

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 まずい、気にかけられている。  あれほど騒いでいたのだから仕方ないとはいえ、よくない傾向だ。  咄嗟に顔を伏せて、大丈夫だとボソボソ答える。 「あいつやべぇよな。何か面倒事に巻き込まれたら言えよ?」  学級委員長でもあるクラスメイトが力強くそう言う。俺はひたすら謝罪とお礼を繰り返すしかなかった。  その後もしばらく声をかけられていたが、担任が入ってきたため前に向き直ったらしい。  ホッとして顔を上げる。  なるべく担任の顔を見ないように目だけは伏せていると、視線を感じた。  まさかまだ注目されているのか。  不安になって恐る恐る覗えば、橋木が感情の読めない顔でこちらを見ていた。すぐさま顔を逸らす。
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