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ドイツの映画をみる。ステンレス製の台所で、男性がひとりで料理をつくっている。それをみていると、日本の炊飯器を教えてあげたくなった。米を水にいれてセットしておけば温かいつやつやのごはんがふっくら仕上がる。寒くて暗くてしんどい。しんどいから、ごはんをつくりたくない。そんな言葉はドイツ人ははかない感じがする。それだけれども、やっぱりそういう日がかならずある。あたたかいというのは、素敵なことだ。そのドイツ映画のはなしも、暗くて寂しい孤独な話であった。それをみると、下宿で炊飯器の中にいろんな宇宙を感じていた大学時代をも思い出す。牛乳、コンソメの元、チーズ、玉ねぎ、にんじん、ベーコン、コーン。それらをただ炊飯器にいれているだけでピラフの完成で、それは、ほんとうにすばらしいもののような気がして改めて炊飯器にありがとう、と想う。卵かけごはん。納豆入り。それを台所で立ち食いするのが、わたしのささやかな幸せである。卵。新鮮でおいしい。卵かけごはん。黄色くてふわふわして、おいしい。
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