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* 顔色掴めない天才少女
森崎 side
俺のクラスには、'' 天才 '' と呼ばれるアイドル的存在の少女がいる。
そして、その少女__日下部 陽奈は、クラシックのコンクール受賞者としてお馴染みの常連らしい。
だが、俺はそいつが見せる '' なんとなく掴めない笑顔 '' が苦手だ。
こんな理不尽な理由だけど、苦手だと感じてしまったのは仕方がない。
キーンコー…ガラガラーーッ。
げっ…
いつもチャイムが鳴り終わりそうな頃、日下部は教室に入ってくる。
「みんなおはよー!」
「日下部さんおはよう! そういえばまた金賞取ったんだね!」
…また、か。
「え、ウソ。すごーい! 陽奈ちゃんおめでとう〜!!」
「ふふっ、そんなおおげさなことじゃないよ」
日下部は「みんなありがとう」と言いながらまた、'' あの笑顔 '' を見せる。
いつもいつも、あの笑顔だ。
「ほらほら〜お前ら席に着け〜」
いきなり現れた先生の言葉で、日下部と話していたヤツらは大人しく席へと戻った。
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