8人が本棚に入れています
本棚に追加
その様子を見届けて私も自室へと入った。
部屋の扉を閉めるなり、そそくさとベットへ潜り込んで自分を落ち着かせるかのように、深呼吸をする。
「……、」
シーンと静まり返った部屋には、私の心臓の音だけが聞こえていて。
まだそこにあるかのように、頭の上が少しだけ温かい。
…違う。
この胸がドキドキする訳は、決して樹くんが原因というわけではない。
久しぶりに異性に触れられたせい。
久しぶりに男の人の温もりを感じたせいだ。
誰に責められているわけでもないのに、心の中でそう何度も自分に言い聞かせて眠りについた。
最初のコメントを投稿しよう!