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巨大な石の周りに集まった面々が、中にいる二人の様子を窺っていた。偶像が死んだのかどうかも分からない。自然と視線は、死神の二人に向いていた。
「……死んだなら、能力の回収が出来ないとおかしいんだ」
思わず口ごもるジョージに、プルトが同調して頷いた。希望の見えない結末に、全員が黙り込む。
ふと、背後に気配を感じて一斉に振り向いた。
そこには、フランツの身体を借りたアーキテクトが佇んでいた。眼鏡をしておらず、瞳も霞みがかって色味がない。
何より、穏やかだが平坦な口調が、アーキテクトそのものだった。
「この男を再び借りて済まない。偶像は、人間によって封じ込められた。この死神の寿命は後、20年だ。寿命が尽きた時、死神が回収をしに訪れる」
――20年。皆が言葉を失う中、アンナが一人、アーキテクトに歩み寄った。
「キングと兄さんは、生きてるの?」
アンナを見て、紳士的な笑みを向けたアーキテクトが、後ろ手を組んだ。ずうっと遠い所を見ているような目で答える。
「生きている。しかし、偶像をこのまま封印するには、二人の力が必要だ」
その言葉に、堪らず感情的になったレイラが詰め寄った。
「ちょっと! 死神界は無責任すぎるんじゃない? 私達が助けたかったのは、あの二人よ!」
「無責任。確かにその通りかもしれない。しかし、偶像を取り込んだキングの首を刎ねれば、我々も理を果たせた。死神の首を刎ねる、もしくは寿命が尽きるのを待つ以外に、偶像を回収する方法はない」
「お前は、エンマか? 理がどうのって言うなら、どうして俺を直ぐ死神として甦らせたんだ」
アーキテクトは、ゆっくりと視線をジョージに移すと、参ったとばかりに首を振った。
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