なんにもできないタカシ君

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 そんな訳で、 『ごめんねえタカシくぅん、アタシこのヒトのペットになったのぉ』 こういったアニメのヒロイン役は、ホントに大変なお仕事だなと、つくづく思います。  この時ばかりは、自分がモブキャラである事に深い感謝の念を抱かざるを得ない。  そうして考えてみると、僕の悩みなんていうのは、本当に小さいものなんです。  到達せず、達成せず、至らず、極めない。  たった、それだけ。  僕の名はタカシ。  ページが進むにつれ忘れ去られ、何もなしえぬまま最終ページの端にちょろっと描かれる存在。  でも少なくとも画面の向こうでワッショイワッショイな人よりは大分マシ。この手のアニメは大概ヒロインが出ずっぱりなので休憩時間もほぼないでしょう。くりかえすコレポリリズムってね、あ、ポリコレの逆って意味ですよ?超おもしろいと思いませんか?僕が考えたんです。僕が。 「お、エンディング…」  こうして、何も変えられないまま、僕は次の作品、その次の作品と渡り歩いて行くのです。  でもね、実は僕、解決する方法を知っているんですよ。  ふふっ、ねぇ。  この文章を書いている貴方、そう、貴方です。  貴方がこの文章に『タカシは物語を捻じ曲げる能力を手に入れました』とでも、書いてくれればいいんです。  そうすれば僕は自由になり、汎ゆる技能を完成させる事ができるでしょう?  あるいは神にでもなって、あ、タカ神にでもなって、様々な物語の登場人物に好き放題してみるのも面白い。  如何です?僕と貴方で、革命を起こしませんか?  タカシ、完成させましょうよ。
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