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右向け矢印ドーナツ
誰もが家に引きこもる、真夏の午後。
家と家の間を抜ける狭い路地。
聞こえるのはセミの鳴き声だけ。
忘れられたような路地に、看板が1つ。
なんだかノスタルジック。
錆びていて文字は読めない。
今にも消えそうな矢印が右方向を指している。
看板の通りに進めば、何があるのかな。
行き止まりかもしれない。
知らない通りに抜ける可能性もある。
想像するだけで胸が高鳴る。
看板に誘われて路地を抜ける。
現れたのは小さな古民家。
情緒あふれるドーナツ屋さん。
矢印が示す素敵なご縁。
ドーナツ1つ下さいな。
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